- 大規模な自然災害に対して不安があるけど・・・
- 大規模な自然災害に対して、安心・安全な社会を構築するための課題が分からない?
- 大規模な自然災害に対して、安心・安全な社会を構築するための課題とその解決策を教えて!
日本は近年、気象災害は激甚化・頻発化しており、また南海トラフ地震、首都直下地震が遠くない将来に発生する可能性が高まっていることから、安心・安全な国土・地域・経済社会の構築に向けた「国土強靭化」(ナショナル・レジリエンス)を推進していく必要があります。
私は今では機械技術者として25年以上働き技術士一次試験にも合格しており大規模な自然災害に対して、安心・安全な社会を構築することに強い関心がありますが、若手の頃は危機意識が不足しており関心はありませんでした。
そこでこの記事では、ハード整備の想定を超える大規模な自然災害に対して、安心・安全な社会を構築するための課題とその解決策について解説します。なお、課題の分析にあたっては次の①~③の視点に着目しています。
①メーカー側の視点(製造、設置の容易さ等)
②ユーザー側の視点(品質、機能性、利便性等)
③社会の視点(安心・安全、環境、持続可能性等)
この記事を参考にして「ハード整備の想定を超える大規模な自然災害に対して、安心・安全な社会を構築する」ための課題とその解決策が解答できるようになれば、技術士二次試験に合格できるはずです。
<<ハード整備の想定を超える大規模な自然災害に対して、安心・安全な社会を構築する」ための課題とその解決策を今すぐ見たい方はこちら
1.安全・安全な社会を構築するための検討課題
1.1 安全・安心な社会を構築する必要性

日本は近年、気象災害は激甚化・頻発化しており、また南海トラフ地震や首都直下地震等の大規模地震の発生する可能性も高まっている。このような中で国民の生命・財産を守り、社会の重要な機能を維持するため、国土強靱化基本法が2013年に施行され、また国土強靱化年次計画が2021年に策定され、国土強靱化の取組の更なる加速化・深化を図ることが求められている。
1.2 安全・安心な社会を構築するための課題分析

機械技術者の立場から安全・安心な社会を構築するための課題を挙げて分析する。
- ①メーカー側の安全性確保(メーカー側の視点)
想定される二次災害を発見・分析し、対策を立案することが課題である。具体的には被災後に火災や産業設備の倒壊等の二次災害を防止できるよう対策を講じる。 - ②ユーザー側の安全性確保(ユーザー側の視点)
故障が発生した際になるべく安全な状態に移行する仕組みを組込むことが課題である。具体的には被災後に機械製品が故障し、ユーザーに危害が及ぶのを防ぐよう対策を講じる。 - ③復旧の迅速化(社会の視点)
被災により故障した産業設備を迅速に復旧できるシステムを確立することが課題となる。具体的には被災後に長期的な機能不全に陥らないよう対策を講じる。
2.安全・安心な社会構築における最重要課題と解決策
2.1 最重要課題の抽出

分析した課題の中で「③復旧の迅速化」が最重要であると判断した。なぜなら、復旧の迅速化は目的とするハード整備の想定を超える大規模な自然災害が発生に対して安全・安心な社会を構築するための根幹だからである。
2.2 解決策

- ①設計標準化の推進
現代の機械設備の製造業は顧客ニーズの多様化にともない多品種少量生産をが主流になっている。こうした中、多種多様な部品を使用して製品を製造してしまうと被災後に部品調達が困難になり製品製造ができない。そこで、設計標準化を推進し各種製品において共通で使用できる部品を多くする。これにより部品調達に対するリスクを軽減できる。 - ②PDMシステムの積極的活用
被災時には紙媒体の技術資料が紛失してしまう可能性があり、製品製造の再開に支障をきたす恐れがある。そこで、PDM(product data management)システムを積極的に活用し大量の設計データの統合管理を行う。これにより被災後にこれら技術データを活用でき復旧を迅速に行うことができる。 - ③サプライチェーンマネジメントの強化
被災後は資材の供給が不安定になることが予想され、製品製造に支障をきたす。そこで、日頃からサプライチェーンマネジメントを行っておく。これにより被災後も資材調達に対するリスクを低減できる。
3.解決策の共通リスクと対策
3.1 解決策の共通リスク

提案した解決策は、いずれも会社組織内で自己完結することを想定したものであるが、もし、その解決策を上回る被害が発生した場合、すなわち通信ネットワークが遮断され、在庫部品が破壊された場合は一会社組織だけでは対応できないリスクがある。
3.2 共通リスクへの対策

ハード整備の想定を超える大規模災害に対して被害を受けた生産設備の修理・復旧を遂行するにあたり、一会社組織内で自己完結できるよう対策を講ずることは難しい。唯一の対策は、近隣周辺の同業他社や部品の取引先等と相互に情報共有や技術協力を行うことで、提案した解決策を遂行できるような協力体制を構築することがリスクへの対策となる。
4.業務遂行における必要要件

被災により故障した生産設備の修理・復旧を迅速に行うためには、人的な判断ミスによるリスクを回避することが重要である。このため、BCP(業務継続計画)を立案し、また定期的に防災訓練を行うことで冷静に判断できるようにすることが必要である。また、被災後は被害状況等を把握するため情報通信機器を使用しなければならない。このため、被災により商用電源が停電することを想定し、予備発電機等の電源確保が必要である。
また、技術は日々進歩しているため、リスクについても新たな事象が生まれている。そのため、常に新しい知識を身に付け、それを反映した改良を続けていく必要がある。それでも、リスクが発現する可能性は全くなくなることはないので、適切なリスクコミュケーション※1が実施できる技術者として、倫理観や社会責任を果たす姿勢が求められる。
※1 リスクコミュニケーションとはリスク分析の全過程において、リスク評価者、リスク管理者、消費者、事業者、研究者、その他の関係者の間で、情報および意見を相互に交換すること。(厚生労働省HPより)
5.まとめ
最後まで読んで頂きありがとうございます。
皆様のキャリアアップを応援しています!!
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