- 機械設計を始めたばかりでリスク低減に対する手順に不安があるけど・・・
- リスク低減に対する手順がよく分からない?
- リスク低減に対する手順を分かりやすく教えて!
VE(Value Engineering)とは、製品やサービスの「価値」を、それが果たすべき「機能」とそのためにかける「コスト」との関係で把握し、 システム化された手順によって「価値」の向上をはかる手法ですが、理解していないケースは非常に多いです。
私は機械技術者として25年以上働いており技術士一次試験にも合格しておりますが、VEの理解は大切であると考えます。
そこでこの記事では、「VEの定義と実施手順」を解説します。
この記事を参考にして「VEの定義と実施手順」が理解できれば、技術士二次試験に合格できるはずです。
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目次
1.VEの定義
VE(Value Engineering:価値工学)とは、次のとおりである。製品やサービスの「価値」を、それが果たすべき「機能」とそのためにかける「コスト」との関係で把握し、 システム化された手順によって「価値」の向上をはかる手法です。
VE では、「機能」「総費用(ライフサイクルコスト)」「価値」を、次のように定義している。
- 1)機能とは
製品やサービスの働き、効用、効果を言い、性能、信頼性、操作性、保守性、安全性、デザインなどである。VE において「機能」を考える場合次の3つが重要である。
①現行の製品やサービスをベースに顧客が必要とする機能は残す。
②顧客が必要としていない機能(過剰機能)を避ける。
③現行品では盛り込まれていないが顧客が求めている機能(不足機能)を加える。 - 2)コストとは
「コスト」とは、製品やサービスのライフサイクルの全てにわたって発生する以下のコストをいう。
①生産者におけるコスト
対象製品やサービスを開発・生産し、利用者に提供して廃棄されるまでに発生する次のコストの総額である。
・構想/企画/研究開発/設計にかかわるコスト
・部材/資材/外注調達コスト
・製造/設置/引渡しコスト
・流通/販売コスト
・アフターサービスや交換部品の維持に関するコスト
・生産終了や廃棄物として還流してきた製品の処分に伴うコスト
②利用者におけるコスト
対象製品やサービスの取得から使用、廃棄までに負担することになるコストの総額である。
・調達コスト(イニシャルコスト):購入価格、製品・事業者の選定に要したコスト、導入・設置・試運転にかかったコストなど
・使用コスト(ランニングコスト):運用コスト(オペレーターの人件費や教育費、エネルギー費、消耗品費など)、保全コスト(点検・保全要員の人件費や修理に要するコスト、保守契約料、予備設備費など)、運用マニュアルなどの文書管理費、故障や運転停止に伴う被害コストなど
・廃棄コスト:対象製品やサービスの撤去や処分に要するコスト、改修・再利用する場合のコストなど。処分が売却(中古転売)の場合はマイナスコストとして加算する - 3)価値とは
VEにおける「価値」は次のとおりである。
・「使用価値」で、「顧客が期待する製品やサービスの機能を達成するための手段の適合性・有効性」を言い、「手段」をこの目的を達成するための「総費用(ライフサイクルコスト)」として、「価値=機能/総費用」で捉える。この価値を改善していくのが VE の基本であり、恩恵は生産者と利用者が共に受ける。

著者
価値とは「価値=機能/総費用」で捉えられるよ!!
2.VEの実施手順
3つの基本ステップ及び、10の詳細ステップは次のとおりである。次のとおりである。
- 基本ステップ① 機能定義(分解)
顧客(ユーザー)の求める価値に関する情報の収集、必要となる機能の定義などを整理する。
①-1 対象の情報収集
対象の仕様・販売・設計・調達・製造・コストなどに関する情報を収集。
①-2 機能の定義
対象から機能を抜き出して定義。対象の構成要素から、働き・役割・目的を顧客(ユーザー)目線で洗い出す。
①-3 機能の整理
洗い出した機能を目的-手段の関係で整理し、機能系統図を作成する。 - 基本ステップ② 機能評価(分析)
機能別のコスト分析と評価を行い、VE対象分野を選ぶ。
②-1 機能別コスト分析
必要とする機能の達成に費やされるコストを算出、分析する。
②-2 機能の評価
機能達成に必要なコストの最低値(機能評価値)をもとに、各機能の価値の重要度を評価する。
②-3 対象分野の選定
価値の程度(機能評価値/現行コスト)、コスト低減余地(現行コスト-機能評価値)を計算して、改善する機能分野の優先順位を決める。 - 基本ステップ③ 代替案作成(創造)
アイデア発想とその評価を行い具体化する。
③-1 アイデア発想
①ー3で作成した機能系統図の機能からアイデアを発想する。
③-2 概略評価
発想されたアイデアを評価すると同時に、必要な機能を技術的に達成できる可能性があるか、経済面ではコスト目標の達成に貢献できる可能性があるかを評価する。
③-3 具体化
概略評価されたアイデアを組み合わせ、「利点・欠点分析→欠点の克服→洗練化」の活動を根気よく繰り返し(具体化のサイクル)、アイデアを価値の高い代替案に練り上げて行く。
③-4 詳細評価
練り上げた代替案の技術性・経済性の評価を行い、実際に実施する代替案を決定する。

著者
VEの実施手順は次の3つです!!
①機能定義(分解)
②機能評価(分析)
③代替案作成(創造)
以上
3.まとめ
以上
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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