【技術士二次試験：機械設計】公共への影響を考慮した機械設計とは？

　機械製品・設備が故障・破壊すると、その影響が拡大し社会や人々の生活に甚大な被害をもたらすこともあり得ます。

　私は機械技術者として25年以上働いており技術士一次試験にも合格しておりますが、機械設計を行う際、公共への影響を考慮することが重要であると考えます。　

　そこでこの記事では、技術者の初心者でも分かりやすいようここでは、「公共への影響を考慮した機械設計」を行う際の課題を抽出しその解決策について述べます。
　①メーカー側の視点（製造、設置の容易さ等）
　②ユーザー側の視点（品質、機能性、利便性等）
　③社会の視点（安心・安全、環境、持続可能性等）

　この記事を参考にして「公共への影響を考慮した機械設計」を行う際の課題が理解できれば、技術士二次試験に合格できるはずです。

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1.現状と課題の分析

1.1 現状

　日本は近年、気象災害は激甚化・頻発化しており、機械製品・設備が大規模自然災害により破壊されるリスクが高まっている。もし故障・破壊されると、その影響が拡大し社会や人々の生活に甚大な被害をもたらすこともあり得る。このような中、「公共への影響を考慮した機械設計」をすべく早急な取り組みが求められている。

1.2 課題の分析

• ①製造におけるコストと品質を両立（メーカー側の視点）
  　現在の経済状況はインフレと円安による物価上昇が著しく原材料の高騰により生産コストが著しく上がっている。一方で生産コスト増を販売価格に転嫁することは競争力の低下を招くため、コスト削減による品質低下が懸念される。このような中、コストと品質の両立が課題である。
• ②誤操作による故障のリスク（ユーザー側の視点）
  大規模自然災害により故障・破壊されるリスクが高まっている。このような中、機械が破壊・故障されても誤動作などの危険が生じないようにしなければならない。ゆえに、誤操作に対する故障リスクに対する対策を講じることが課題である。
• ③大規模自然災害による破壊のリスク（社会の視点）
  　日本は近年、気象災害は激甚化・頻発化しており、また、南海トラフ地震や首都直下地震等の大規模地震の発生する可能性も高まっている。このような中で、被災しても機能停止が長期化しないような対策が必要である。

2.最重要課題の抽出とその解決策

2.1 最重要課題の抽出

　抽出課題の中で「①製造におけるコストと品質を両立」が最も重要な課題であると判断した。なぜなら、a)製造におけるコストと品質を両立は目的とする公共への影響を考慮した設計の根幹だらである。

2.2 課題に対する解決策

• ①設計の標準化
  　製品設計において、その都度、最初から設計を行うのではなく、適切な標準化を実施しておき設計の効率化を図る。具体的には共通仕様書の作成、共通製品の使用、数量計算書の標準化を行う。これにより、設計の効率化が図られ、製造コストが削減できる。
• ②製缶作業・機械加工の自動化
  　これまで人力に頼っていた工場内の製品運搬等の作業をロボットに代替させることで製造コストを削減できる。
• ③検査の自動化
  　品質確保のためには適正な検査は欠かせない。しかし適正な検査を行うには多大な労力を要する。そこで検査の作業にカメラとAI（人工知能）を活用し代替させる。これにより、検査費用を削減できる。

3.解決策がもたらすリスクとその対策

3.1 解決策がもたらす共通するリスク

　上記の解決策はいずれも設備投資に膨大なコストがかかり、もし実施すれば会社経営を圧迫するリスクがある。

3.2 共通するリスクへの対策

　経済産業省が行っている「サービス等生産性向上IT導入支援事業（IT導入補助金）」や「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」等の支援事業を活用する。

4.業務遂行上必要となる要件・留意点

　製造メーカーの目的は利益の追求であるが、同時に社会的責任を果たさなければならない。社会的責任とはIOS26000にあるように「持続可能な発展」に貢献することである。このため機械技術者には将来の世代の人々が自らのニーズを満たす能力を危険にさらすことなく、現状のニーズを満たす努力が必要である。 ゆえに、生産コストを更に削減するだけではなく、高機能素材や低炭素・省エネ製品の開発をすることで地球環境に配慮し、併せて製品の付加価値を高め製品の差異化を図り、市場での競争力を高めることに留意すべきである。　

5.まとめ

以上

最後まで読んで頂きありがとうございます。
皆様のキャリアアップを応援しています!!