- 「デジタル技術」を活用することに不安があるけど・・・
- 「デジタル技術」を活用する際の課題が分からない?
- 「デジタル技術」を活用する際の課題とその解決策を体系的に教えて!
「デジタル技術」の進展によりデータの重要性が飛躍的に高まる中、日本で世界水準のデジタル社会を実現するために将来の目指す姿を描いた「デジタル社会の実現に向けた重点計画」が2022年6月に閣議決定されました。一方で日本は今後、労働人口が減少する中で働き方改革を行い、かつ多様な社会ニーズに答えるためには付加価値の創出、生産性向上、コスト削減をすることが課題となります。このため、関係者が一丸となってデジタル技術を活用することが必要であります。
私は機械技術者として25年以上働いており技術士一次試験にも合格しておりましたがデジタル技術の知識が乏しかったため、また2年程前に「一般社団法人 日本ディープラーニング協会」が主催の「G検定試験」に合格し、現在、「E資格」取得にチャレンジ中です。しかし、人工知能(AI)の勉強を始めた頃は多くの考え方や専門用語に圧倒され、全貌を理解するのに苦労した苦い経験があります。
そこでこの記事では、機械設計の初心者でも分かりやすいようここでは「デジタル技術を機械分野へ活用するための課題」の抽出とその解決策について解説します。なお課題の分析にあたっては次の①~③の視点に着目しています。
①メーカー側の視点(製造、設置の容易さ等)
②ユーザー側の視点(品質、機能性、利便性等)
③社会の視点(安心・安全、環境、持続可能性等)
この記事を参考にして「デジタル技術を機械分野へ活用する」ための課題が理解できれば、技術士二次試験に合格できるはずです。
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1.デジタル技術を活用するための検討課題
1.1 デジタル技術を活用する必要性
日本は今後、労働人口が減少する中で働き方改革を行い、多様な社会ニーズに答えるためには付加価値の創出、生産性向上、コスト削減をしなければならない。このため、AIやIoT等のデジタル技術を活用することが必要である。
1.2 デジタル技術の活用における課題分析
デジタル技術の活用により生産性向上やコスト削減を達成するための検討項目を挙げて課題を分析する。
- a)デジタル環境の整備(メーカー側の視点)
製造現場におけるデジタル環境の整備が課題である。具体的にはデジタル技術を活用して製造現場の省力化・省人化をするためにビッグデータを収集できる環境が必要である。このため、工場においては、膨大なIoT機器を製造設備に迅速かつ効率的に接続できるハードウェア技術開発が必要である。また、IoT機器により収集したビッグデータを活用するためにデータの整理、分析、推論を高速高精度で行うソフトウェアの開発が必要がある。 - b)情報機器に不慣れなユーザーの支援(ユーザー側の視点)
デジタル技術を取り入れた高機能製品を誰でも使用できるように開発することが課題である。具体的には、製品の高機能化のためにデジタル技術は欠かせない。しかし、情報機器に不慣れなユーザー(高齢者、障害者、こどもや在留外国人等)には使いづらいものになる。このため、このようなユーザーにも分かりやすく、使用できるようにユーザーインターフェースを作ることが必要である。 - c)サイバーセキュリティ対策(社会の視点)
機密情報の保護、サイバー犯罪防止が課題である。デジタル技術活用によりクラウドサービスの利用拡大などを通じて、利便性が向上する一方で、機密情報の漏洩やサイバー犯罪が発生するリスクがある。このためサイバーセキュリティー対策が必要である。
2.デジタル技術活用における最重要課題と解決策
2.1 最重要課題の抽出
分析した課題の中で「a)デジタル環境の整備」が最重要であると判断した。なぜならデジタル環境の整備は目的とするデジタル情報技術の活用による付加価値の創出、生産性向上、コスト削減を図るための根幹だからである。
2.2 解決策
- ①センシング方法の工夫
IoTから取得情報を稼働データに絞る。そしてCNC(Computerized Numerical Control)接続、積層表示灯、電流の3つのセンシングにより全ての工作機械の稼働状況が把握できる。また、旧式から最新の工作機械に簡単に取り付けられるため、膨大なIoT機器を迅速かつ効率的に接続することが可能である。 - ②学習済みAIの活用
データの整理、分析、推論を高速高精度で行うソフトウェアとしてAI(人工知能)を活用する。その際、既に提供・販売されている学習済みAIモデルを用いて転移学習やファインチューニングを行い、AIモデルを構築する。これにより、各企業、組織毎に適したAIモデルの開発を迅速に行うことができ、また開発コストの削減ができる。 - ③システム障害の対策
AIに関連したネットワーク、ハードウエア、ソフトウエアに障害予兆を検知するツールを使用する。これにより、システム障害により生産工場の稼働停止のリスクを低減できる。
3.解決策の共通リスクと対策
3.1 解決策の共通リスク
AIが取り扱うビッグデータの中には生産技術にかかるノウハウ等の機密性の高い情報が含まれるため、適切に管理しなければ外部に漏洩するリスクがある。
3.2 共通リスクへの対策
データ管理者を定めるとともにデータをセキュリティ優先度毎にデータを分類し、保存期間や保持期間に関するポリシーも定める。また、データのアクセス追跡ができるシステムを導入することで不正利用の防止を図る。
4.業務遂行における要件・留意点
通常の事故では法的責任に応じて賠償責任がなされるが、人工知能(AI)の判断により事故が起こってしまった場合、誰が責任をとるのかを明確に定めておかなければならない。また、AIが判断したことの妥当性が技術者に理解できないままブラックボックス化してしまう危険性がある。このため、AI技術の有効性や信頼性を定量的に評価するための標準的評価手法の開発が必要である。
また、技術は日々進歩しているため、リスクについても新たな事象が生まれている。そのため、常に新しい知識を身に付け、それを反映した改良を続けていく必要がある。それでも、リスクが発現する可能性は全くなくなることはないので、適切なリスクコミュケーション※1が実施できる技術者として、倫理観や社会責任を果たす姿勢が求められる。 以上
※1 リスクコミュニケーションとはリスク分析の全過程において、リスク評価者、
リスク管理者、消費者、事業者、研究者、その他の関係者の間で、情報および意見を
相互に交換すること。
(厚生労働省HPより)
5.まとめ
以上
最後まで読んで頂きありがとうございます。
「機械設計」に関する他の記事も多数ありますので是非ご覧ください。
また、「キャリアデザイン」設計についてサポートサービスも行っていますのでご興味がありましたら併せてご覧ください。
皆様のキャリアアップを応援しています!!
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