- 「地球環境と安全性」へ配慮した製品設計ができるか不安・・・
- 「地球環境と安全性」へ配慮した製品設計をするための課題が分からない?
- 「地球環境と安全性」へ配慮した製品設計を行うための方法を分かりやすく教えて!
現在、地球温暖化による気候変動が激しい状況において、地球環境に優しい製品を製造することは重要です。一方で、機械製品・設備が故障・破壊すると、その影響が拡大し社会や人々の生活に甚大な被害をもたらすこともあり、安全性に優れる製品を製造することもまた重要です。
私は機械技術者として25年以上働いており技術士一次試験にも合格しておりますが、現代社会においては地球環境に優しく安全性に優れる製品を製造することの重要性が特に増していると考えます。
そこでこの記事では、機械技術者の立場から「地球環境と安全性へ配慮した製品の技術ロードマップ」について2023年から5年ごとの製品の到達目標を15年にわたり設定し、各到達目標を達成するための作業内容を示し、その課題について解説します。
この記事を参考にして、地球環境と安全性へ配慮した製品の技術ロードマップの作成方法が理解できれば、技術士二次試験に合格できるはずです。
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1.技術ロードマップの提示とその内容について
開発する製品として水門設備を例にする。なお、ここでいう水門設備とは扉体、戸当り、開閉装置、電気設備、付属設備から構成される機械設備であり、本川から支川への逆流を防止するため設置される災害対策設備である。
1.1 技術ロードマップの提示
地球環境に優しく安全性に優れる製品として「金属3Dプリンター(以降、金属3DPと呼ぶ)」で製造する「水門設備」を例に挙げる。(水門設備とは扉体、戸当り、開閉装置、電気設備、付属設備から構成される機械設備であり、多品種少量生産されるものである。)
水門設備は現在、製缶加工及び機械加工により製造されているが、金属3DPで製造することで、以下の効果が期待できる。
- 温室効果ガス削減
材料消費量の減少や、製造にかかるリードタイムが短縮できる。 - 耐久性向上
従来の製法と比べて複雑な形状のものが製造可能となり耐久性が向上する。
以下に金属3DPの導入に向けたロードマップを提示する。
- 1年~5年:2次元CADを3次元CADに変換
金属3DPにより製造を行うためには3次元CADデータが必要がある。
このため、既存の2次元CADデータを3次元CADデータへ変換する作業を行う。 - 6年~10年:金属3DPで造形するためのノウハウを構築
金属3DPを工業製品に応用するには求める形状のものを容易に造形できるようにする必要がある。このため、造形方法に関する知識を蓄積する作業を行う。 - 11年~15年:金属3DPに製造された製品の耐久性を検証
金属3DPにより製造された製品の耐久性等の安全性を確認する必要がある。
このため製品の耐久性等を検証し、品質管理基準を作成する。
2.技術ロードマップ実現のための課題と解決策
2.1 課題の抽出
上記の技術ロードマップの内容において、「6年~10年 金属3DPで造形するためのノウハウを構築」における課題の抽出とその具体的な解決策について述べる。まず、造形不具合の主な要因について下記に挙げる。
- ①熱に起因する課題
熱に起因するものとして、反りや残留応力、メルトプールによるボイドの発生がある。 - ②構造に起因する課題
一方、構造に起因するものとして不適切なサポート材形状による変形や破損である。
2.2 課題の解決
これらの因果関係についてデータを蓄積し、深層学習(ディープラーニング)等の機械学習を用いてデータを解析し、最適な熱、構造を推測することで人間による試行錯誤的な作業をなくし、かつ最適化を図ることができる。
3.解決策に潜むリスク
造形品質の課題が解決することで、金属3DPが普及し、3Dデータがあれば容易に製造することができるようになる。このため知的財産権侵害と違法物の製造を容易にする可能性がある。前者は「知的財産」(知的財産基本法 2 条 1 項参照)と肖像権やプライバシー権をも含む広範な権利侵害が想定され、間接侵害の問題もある。このため、3Dデータ等どこまでが知的財産権の対象範囲なのか、あるいは違法物を容易に製造できない仕組み等の法律や制度の整備が必要になる。
4.まとめ
以上
最後まで読んで頂きありがとうございます。
皆様のキャリアアップを応援しています!!
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