【技術士二次試験:機械設計】設計標準化の課題とは?

  • 「設計の標準化」を進めるのに不安があるけど・・・
  • 「設計の標準化」の阻害要因が分からない?
  • 「設計の標準化」の阻害要因を分かりやすく教えて!

 昨今、世界的に「設計の標準化」が進んでいます。設計の標準化を行うことにより、従来の複雑にカスタマイズした設計において生じる手間やコストの削減や他製品に流用することができる等のメリットがありますが、関心があっても実施できていないケースは非常に多いです。

 私は機械技術者として25年以上働いており技術士一次試験にも合格しておりますが、「設計の標準化」は重要性が増していると考えます。 

 そこでこの記事では、「設計の標準化」における阻害要因とその対応策について解説します。

 この記事を読めば「設計の標準化」の阻害要因が理解でき、「設計の標準化」の導入のヒントに活かすことができます。

目次

1.標準化すべき項目

 標準化すべき項目を抽出し、具体的に述べる。

  • ①製品
     製品の形状、寸法が標準化すべき項目である。なぜなら、製品の標準的な形状や寸法を予め定めておくことで設計の効率化を図ることができるからである。
  • ②製品の原料となる材料
     使用材料の規格が標準化すべき項目である。なぜなら、製品の原材料となる金属材料、非金属材料、潤滑剤などの標準的な規格を予め定めておくことで設計の効率化を図ることができる。
  • 機械要素(部品)
     機械要素の規格が標準化すべき項目である。なぜなら、製品ボルト、ナット、ねじ、軸受などの組立製品の標準的な規格を予め定めておくことで設計の効率化を図ることができる。

2.標準化を推進する際の阻害要因

 個別受注生産の製造業は設計の標準化が進めにくい傾向がある。その理由は、案件ごとに異なる仕様、類似品を一部変更しそれを不定期に繰り返す生産形態にあるからである。そのため次のような阻害要因が発生しやい。

設計技術者
設計技術者

個別受注生産は案件ごとに仕様が異なるため標準化が難しいなぁ・・・

  • ①設計業務の属人化
     顧客の要望に応じて設計・購買・製造する個別受注生産において、設計の仕様変更が頻繁に起こり、その都度設計を見直し、そのノウハウ自体の管理が煩雑になる傾向がある。その結果、その案件に携わった人しか設計上の注意点や改善点を把握できておらず、同時に知識や経験が積みあがらず、ますます属人化が進んでいく。受注した案件に合わせ、毎回図面を描かなければならず、たとえ類似する工程があるものに関しても、同じケースで悩んだり、同じ失敗を繰り返してしまったりと非効率的な設計業務を引き起こしてしまう。
  • ②間接業務の工数の増大化
     「情報検索工数」や「伝達工数」などの間接業務について、個別受注生産の製造業においては、部品や関連図書の管理が煩雑になりがちのため、情報検索に膨大な工数がかかっている。また、設計変更が発生する度に、製造部門や購買部門に共有をしなければならずこの手間もかかってしまう。

3.標準化の阻害要因の対応策と推進上の課題

3.1 阻害要因の対応策

  • 利用頻度の高いユニットやアセンブリを発見し、マスタ化を行う。
  • 設計部品表を流用することで、設計工数を削減する。
  • 設計変更時の情報をリアルタイムで伝達できる仕組みを構築する。
  • データの一元管理により、部品や関連図書の検索工数を削減

3.2 推進上の課題

  • ①マスタ化・BOM(Bill Of Materials:部品表)化
     「ルール」化をすることが課題である。なぜなら、図面をデータで残し、そのデータを探すことができる環境を整備することが必要であるからである。
  • ②関連する情報の一元化
     データの入れ方・名前の付け方などをルール化することが課題である。なぜなら、データを一元管理することが必要であり、データをきちんと検索できなければならないからである。
  • ③情報の一元管理
     PLM(Product Lifecycle management)システムの活用により製品企画から設計、調達、製造、販売、廃棄までのライフサイクルにおいて生じるデータを一元管理することが課題となる。なぜなら、各部門のデータが「タイムラグ」や、「入れ間違い・ 漏れ・未入力」などによって活用できない事態に陥らないことが必要だからである。 以上                                                                                                                      
著者
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設計標準化にPLMシステムの活用が有効ではないでしょうか?

以上

最後まで読んで頂きありがとうございます。
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