- 「製品不具合」に対して適切に対応できるか不安・・・
- 「製品不具合」に対して対応すべきことが分からない?
- 「製品不具合」に対して対応すべきことを分かりやすく教えて!
メーカーは製品に不具合が発生してしまと顧客や社会からの信用を失い、多大な損失を被ることになります。このため不具合に対して原因を正確に把握し、適切な改善策をとることが重要です。
私は今では機械技術者として25年以上働いており技術士一次試験にも合格しておりますが、「製品不具合」に対して一歩ずつ改善を実施していくことは大切であると考えます。
そこでこの記事では、機械設計において製品不具合が生じないようにする対策について考えます。
①メーカー側の視点(製造、設置の容易さ等)
②ユーザー側の視点(品質、機能性、利便性等)
③社会の視点(安心・安全、環境、持続可能性等)
この記事を参考にして「製品不具合」に対して対応すべきことが理解できれば、技術士二次試験に合格できるはずです。
<<「製品不具合」に対して効果的に改善すべきポイントを今すぐ見たい方はコチラ
1.製品不具合の事例と発生原因として考えられる課題の抽出
1.1 製品不具合の事例
製品不具合の事例として、樋門に使用される水密ゴムについて、P形の水密ゴムを使用していたが使用条件により、劣化の進行が通常より著しく早いため、形状をA形ゴムに変更したところ劣化の進行を遅らせることができたことをあげる。
1.2 発生原因として考えられる課題の分析
- a)妥当性確認の精度向上
出来上がった製品が、特定された用途や意図された使い方の要求を満たすことができることを漏れなく確かめる必要がある。よって、妥当性確認の精度を向上することが課題である。 - b)設計検証の精度向上
設計・開発のアウトプットとして出来上がった製品が設計・開発のインプット内容を満足していることを漏れなく確かめる必要がある。よって、設計検証の精度を向上することが課題である。 - c)設計審査の精度向上
設計開発プロセスの段階ごとに、仕様書や図面などの成果物を 設計部門以外の人も含めて確認し、次のプロセス(信頼性)に進んで良いかを漏れなく検討する必要がある。
よって、設計審査の精度を向上することが課題である。
2.最重要課題と対応策
2.1 最重要課題の抽出
分析した課題の中で「b)設計審査の精度向上」が最重要課題であると判断した。設計審査の精度向上は目的とする製品不具合を防止するための根幹だからである。
2.2 対応策の提案
- a)開発プロセスの移行審査・承認
各設計フェーズの最終段階で、次の段階に移行してよいか確認する審査会議を行う。営業・設計・生産技術・品質保証・購買・製造など、製品に関わるすべての部署が参加する。これにより、機能・性能・コスト・法令などの要求仕様を満たし、信頼性・安全性などの問題はないかを確認することができる。 - b)計画の評価と問題点抽出を行う組織的活動
各設計段階の区切りのよいタイミングで専門家を集め、設計内容の問題抽出と対策可否検討を行う。これにより、品質・安全性・操作性・コストなどの問題点を洗い出すことができる。 - c)部内での技術的討論
チームや部内で完結する技術討論会を行う。これにより、早期に問題点を抽出して対策を打つことができる。
3.提案を遂行する方策と防止しきれないリスクと限界
3.1 提案を遂行する方策
- a)設計審査(以降、DR)の頻度と階層化
DRは、「企画」「構想設計」「詳細設計」「試作・評価」の各段階で行われ、その限られた時間で品質・安全性・操作性・コスト・生産性・販売後のサービスまで含めて検討することは実質不可能である。理由としては単純で審査する項目が多すぎるからである。そこで、早い段階かつ必要な参加者のよるDRの実施が有効である。設計者は各フェーズの最後に部内で技術討論会を実施し、さらに必要に応じて担当部署の責任者や専門家を招集し、設計を中心にした具体的な課題を抽出し議論のポイントを絞って短時間の技術討論会を増やすことで、設計段階の見落としも防ぐことができる。また、チームや部内でのDRを実施し、DRを階層化し、設計レベルでの技術討論の頻度を増やすことで品質向上につながる。また、階層ごとに参加者や審議内容を細分化することで、商品化認定に位置づけられている会議で設計の議論になったり、経営層が設計詳細に対して指摘したりといったズレを防止できる。 - b)参加者の役割の明確化
DRに参加するレビュアーは、その分野に精通した専門家であることが大前提である。専門家不在では議論ができず、それが形式的なDRの原因にもなっている。そこでDRは、必ず専門家を招集し、難しい場合はスケジュールを変更するなどの対処が必要になる。また、DRで設計者が最も困ることが、その場の思いつきによる指摘である。レビュアーには、その場限りの指摘にならないように責任を持たせることが大切である。例えば、「指摘したレビュアーは、問題が解決するまで責任を持つ」など、思いつきで指摘しないようにルール化することも効果的である。レビュアーに責任を持たせることで、設計者だけの責任ではなくなり、思いつきの指摘も減り、効率的に品質向上につながる。ただし、ルール化する際には、レビュアーが指摘をためらわないようにする工夫も必要である。 - c)DRの質を高める試作
部内で行うものもあれば、関連部署全体、経営層が参加するものまで様々である。その際に意思疎通を図り、スムーズに進行するために3D CADの活用が有効である。簡単な構造や干渉問題などを確認するためのモデルのイメージを3D CADにより再現、部署内での検討時にもより深い議論ができるようになる。
3.2 リスクと限界
DR以前の設計計画の進め方に致命的な原因、反省点があるものも少なくなく、たとえ優れたDR運営ができていてもDRへのインプットがひどければ、DRでの改善にも限界がある。従ってDRで討議する内容・範囲と、DRでは深い討議はせず詳細は設計者自身が責任をもって細かくセルフレビューしておく内容を分け、設計者自らが強弱をつけてDRに臨むことが重要である。
4.まとめ
以上
最後まで読んで頂きありがとうございます。
「機械設計」に関する他の記事も多数ありますので是非ご覧ください。
また、「キャリアデザイン」設計についてサポートサービスも行っていますのでご興味がありましたら併せてご覧ください。
皆様のキャリアアップを応援しています!!
コメント