- 製造業における温室効果ガス削減を推進したいけど不安・・・
- 製造業における温室効果ガス削減対策に対する課題が分からない?
- 製造業における温室効果ガス削減対策に対する課題に対する解決策を教えて!
日本は、温室効果ガス削減の目標に対して、2030年までに2013年比で25%削減するとしています。このため、あらゆる施設において温室効果ガス削減が求められています。
私は機械技術者として25年以上働いており技術士一次試験にも合格しておりましたが、製造業においても温室効果ガス削減が求められていると考えます。
 そこでこの記事では、「製造業における温室効果ガス削減対策に対する課題」の抽出とその解決策について解説します。なお課題の分析にあたっては次の①~③の視点に着目しています。
 ①メーカー側の視点(製造、設置の容易さ等)
 ②ユーザー側の視点(品質、機能性、利便性等)
 ③社会の視点(安心・安全、環境、持続可能性等)
この記事を参考にして、製造業における温室効果ガス削減対策に対する課題と解決策が理解できれば、技術士二次試験に合格できるはずです。
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1.温室効果ガス削減対策の現状と課題の分析
1.1 現状
環境省が公表した「2019年度の温室効果ガス排出量(速報値)について」のデータによると、産業部門のCO2排出量が最も多く機械製造業は11%であり産業部門の中で3番目に多く温室効果ガス削減の早急な取り組みが求められている。
1.2 課題の分析
- a)製造時の資源・エネルギー消費の削減(メーカー側の視点)
 現状、工場で使用する工作機械やコンプレッサーを稼働させるために多くの電力を使用している。また、製品製造にあたり調達資材を加工しているが、加工の過程で多くの廃材が生じている。このため、省資源・省エネルギー技術の活用が課題である。具体的には電力量を大幅に削減し、使用する鋼材を最小化する。
- b)省エネ製品の提供(ユーザー側の視点)
 現状、提供した製品を稼働するために多くの電力を要する。このため、製品の省エネ性能向上を図ることが課題である。具体的には製品を使用することでユーザーが温室効果ガス排出削減ができるようにする。
- c)製品据付作業における環境負荷の低減(社会の視点)
 現状、製品の現場での据付作業においてクレーン等を使用しており、軽油等の燃料消費量が多い。このため、再生可能エネルギーの利用割合を増やすことが課題である。具体的には温室効果ガスの排出量を削減するために、化石燃料の使用量を大幅に削減をする。
2.最重要課題の抽出とその解決策
2.1 最重要課題の抽出
抽出課題の中で「a)製造に係る資源・エネルギー消費の削減」が最も重要な課題であると判断した。なぜなら目的とする温室効果ガス排出量の削減の根幹だからである。
2.2 課題に対する解決策
- a)環境配慮設計の実施(設計)
 製品設計時に環境配慮設計を実施する。環境配慮設計では3R(Reduce、Reuse、Recycle)に加えて製品製造時のエネルギー使用量を少なくする等の配慮がされるため、製造に係る資源・エネルギーの削減が期待できる。
- b)製造機械の省エネ化(製造(ハード面))
 製造工場で使用する工作機械やコンプレッサーなどの設備について、省エネ機器を導入することで燃費を向上を図る。また、工場内に太陽光発電システムの設置と、再生可能エネルギーの購入により必要な電力を賄う。
- c)エネルギーマネジメントの最適化(製造(ソフト面))
 IoT機器を工場の製造設備に設置し、エネルギー使用の見える化を図ることで省エネを妨げている要因はどこなのか追求し、AI(人工知能)によりエネルギー使用量の最適化を行う。
3.解決策がもたらすリスクとその対策
3.1 解決策がもたらす共通するリスク
上記の解決策はいずれも膨大なコストがかかり、会社経営を圧迫する危険性がある。
3.2 共通するリスクへの対策
環境省では製造業の取り組みを補助する「工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業」を実施しており、「脱炭素化の計画策定依頼にかかる費用補助」、「設備更新に対する補助」、「CO2排出量の算定・取引、事例分析」等を活用する。
4.業務遂行上必要となる要件・留意点
4.1 必要となる要件
目標を達成するための必要な要件は進捗状況の確認をリサイクルすることである。そして、温室効果ガス削減の取組みと経済や社会の発展に向けた取り組みをセットで考えることである。 自社の排出量をさらに削減するだけではなく、高機能素材や低炭素・省エネ製品の開発することで製品の付加価値を高め市場での競争力を高めることが重要である。
4.2 必要となる留意点
 技術は日々進歩しているため、リスクについても新たな事象が生まれている。そのため、常に新しい知識を身に付け、それを反映した改良を続けていく必要がある。それでも、リスクが発現する可能性は全くなくなることはないので、適切なリスクコミュケーション※1が実施できる技術者として、倫理観や社会責任を果たす姿勢が求められる。
※1 リスクコミュニケーションとはリスク分析の全過程において、リスク評価者、
  リスク管理者、消費者、事業者、研究者、その他の関係者の間で、情報および
  意見を相互に交換すること。(厚生労働省HPより) 以上  
5.まとめ
以上
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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